高速道路で長い渋滞にハマったときって、つい考えてしまいますよね。「この渋滞、いったい何が原因なんだろう」と。
実は、その答えはとても興味深いものなんです。今回は、高速道路で日常的に起きる「自然渋滞」の仕組みについて、詳しく解説していきます。

事故じゃない渋滞
驚くかもしれませんが、**高速道路の渋滞のうち、実に約7割は事故も工事もない「自然渋滞」**なんです。
では、自然渋滞とは何でしょうか。どうして何の障害もないのに、渋滞が発生してしまうのでしょうか。その謎を解いていきましょう。
先頭は普通に走ってる
ここで驚くべき事実をお伝えします。渋滞の先頭の車は、実は停まっているわけではありません。普通に時速60キロほどで走り続けているんです。
つまり、渋滞している後ろの車と先頭の車では、走り方が全く異なっているのです。では、なぜこんなことが起きるのでしょうか。
原因はサグ部
自然渋滞の最大の原因は、**「サグ部」**という場所です。
サグ部とは、下り坂から上り坂に変わる、緩やかなくぼみのような場所のこと。日本の高速道路にはこのような地形がたくさん存在します。
ここが厄介なのは、ドライバーが坂が変わったことに気づきにくいという点です。そのため、上り坂に差し掛かると、無意識にスピードが落ちてしまうんです。その低下幅はわずか時速5キロほど。本人にも自覚がないレベルです。
ですが、本当の問題はその後に起こるのです。
ブレーキの連鎖
前の車が少しスピードを落とすと、後ろの車はどうなると思いますか?
車間が詰まってくるため、後ろの車は軽くブレーキを踏みます。その後ろの車も同じように反応して、もう少し強くブレーキを踏むことになります。
この連鎖が次々と続いていき、20台、30台と後ろに伝わるうちに、ついには完全停止する車が現れてしまうのです。
これが、自然渋滞の正体なんです。最初は時速5キロの低下にすぎなかったのに、ブレーキの連鎖によって、やがて渋滞へと変わるのです。
先頭は流れている
驚くべきことに、渋滞の先頭の車は、自分が原因だとは知らず、普通に走り続けているんです。
先頭の車のドライバーからすれば、単に上り坂で少しスピードが落ちた、それだけのこと。まさか自分の行動が、何キロも後ろで渋滞を生み出しているなんて、夢にも思わないでしょう。
先頭は移動する
さらに不思議なのは、渋滞の先頭は固定されていないという点です。
渋滞の先頭は時速15キロほどで、車の流れとは逆方向——つまり後ろへ後ろへと移動していきます。先頭にいた車は、やがてサグ部を抜けて加速し、その渋滞から逃れていきます。そして新しい先頭が次々と生まれていくのです。
この様子は、あたかも渋滞という「波」が、後ろへ向かって進んでいくようなものなんですね。
車間距離40m以上
では、この自然渋滞を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
対策はいたってシンプルです。車間距離を40メートル以上空けることで、ブレーキの連鎖を吸収できます。
十分な車間距離があれば、前の車のスピード低下に対して、後ろの車が穏やかに減速でき、急ブレーキの連鎖が生まれにくくなるのです。
まとめ
高速道路の自然渋滞の正体は、サグ部での無意識なスピード低下と、それに続くブレーキの連鎖でした。
驚くべきことに、渋滞の先頭の車は普通に走り続けており、その先頭は固定されず後ろへ移動していきます。つまり、渋滝の先頭は、誰でもないし、誰でもあるのです。
今後、高速道路を走るときは、十分な車間距離を心がけてみてください。それが、渋滞の発生を防ぎ、全体の交通を円滑にする秘訣なのです。